なんとなく使い分けている、この2つの言葉
住まいの改修を検討し始めると、「リフォーム」と「リノベーション」という、似たような2つの言葉に出会います。
多くの人が、なんとなくのイメージでこの2つの言葉を使い分けていますが、実際にはそれぞれ明確な定義の違いが存在します。
本記事では、リフォームとリノベーションの違いについて、費用感の観点も交えながら解説します。
リフォームとはどのような工事を指すのか
原状回復・修繕が中心の工事
リフォームとは、老朽化した部分を修繕したり、古くなった設備を新しいものに交換したりする工事を指します。
壁紙の張り替えや、キッチン・浴室といった設備の入れ替えなど、既存の状態を「マイナスからゼロ」、あるいは「新築時の状態に近づける」ことを目的とした工事が中心になります。
部分的な工事が多い
リフォームは、家全体を大きく作り変えるというよりも、気になる箇所を部分的に改修するケースが多い傾向があります。
リノベーションとはどのような工事を指すのか
間取りや性能を向上させる工事
リノベーションとは、既存の建物に対して、間取りの変更や、性能の向上を伴う、より大規模な工事を指します。
単に古くなった部分を元に戻すのではなく、「ゼロからプラス」へと価値を高めることを目的としている点が、リフォームとの大きな違いです。
スケルトンリノベーションという選択肢
建物の構造体だけを残し、内部を全て解体・撤去した上で、間取りから作り直す「スケルトンリノベーション」という手法も存在します。
こうした大規模な工事により、まったく新しい住空間を生み出すことができます。
費用感から見る、リフォームとリノベーションの違い
リフォームは工事範囲によって費用が変動する
リフォームの費用は、工事の範囲や、交換する設備のグレードによって大きく変動します。
部分的な修繕であれば、比較的抑えた予算で実施できる場合もあります。
リノベーションは総額が大きくなりやすい
リノベーションは、間取り変更や配管・配線の見直しといった大規模な工事を伴うことが多いため、リフォームと比較して総額が大きくなる傾向があります。
ただし、その分、住まい全体の資産価値向上や、長期的な住み心地の向上が期待できます。
どちらを選ぶべきか、判断のポイント
現状の不満がどこにあるかを整理する
「特定の設備が古くなった」という部分的な不満であれば、リフォームで対応できる場合が多くあります。
一方で、「間取りそのものに不満がある」「もっと開放的な空間にしたい」といった根本的な要望がある場合は、リノベーションを検討する価値があります。
予算とのバランスを考える
リフォームとリノベーション、それぞれにかかる費用の目安を把握した上で、自分たちの予算とのバランスを考えながら、どちらの選択肢が適しているかを判断していくことが大切です。
工事会社選びで確認したいポイント
両方に対応できる会社を選ぶメリット
リフォームとリノベーション、両方に対応できる工事会社であれば、当初リフォームを想定していた工事が、途中で大規模な改修に発展した場合にも、柔軟に対応してもらいやすくなります。
実績や提案力を確認する
工事会社を選ぶ際は、これまでの施工実績や、要望に対する提案力を確認することも重要なポイントです。
工期の違いも押さえておきたいポイント
リフォームは比較的短期間で完了しやすい
部分的な修繕が中心となるリフォームは、工事内容にもよりますが、比較的短期間で完了することが多い傾向があります。
生活しながら工事を進められるケースも少なくありません。
リノベーションは長期の工期を要することが多い
間取り変更を伴うリノベーションでは、工事期間が数ヶ月に及ぶこともあり、仮住まいが必要になるケースもあります。
工期の長さも、計画段階で考慮しておきたい要素の一つです。
補助金・減税制度という視点も忘れずに
省エネリフォームに関する支援制度
断熱性能の向上を伴うリフォームなど、一定の条件を満たす工事については、国や自治体による補助金制度の対象となる場合があります。
こうした制度を活用することで、実質的な費用負担を抑えられる可能性があります。
制度の対象条件は事前に確認する
補助金や減税制度は、年度によって内容が変わることも多いため、リフォーム会社に最新の情報を確認しながら計画を進めることをおすすめします。
まとめ|言葉の違いを知ることが、納得の住まいづくりへの第一歩
リフォームとリノベーションは、似ているようで、対象とする工事の規模や目的が異なる言葉です。
現状の不満がどこにあるのか、そして予算とのバランスを踏まえた上で、どちらの選択肢が自分たちに合っているのかを見極めることが、後悔のない住まいづくりにつながります。
工事を検討する際は、まずこの言葉の違いを正しく理解することから始めてみてはいかがでしょうか。正確な理解が、納得のいく選択への近道になります。
